落ち着いた穏やかな日が来ますように
日本中が、新型コロナウィルスによる感染症の話題で持ちきりです。世界的に拡大することを懸念して世界の経済状況も不安定です。本校ではまず、中1と中2の保護者懇談会が中止され、3月初旬に予定されている中学と高校の修学旅行の実施について判断を下したばかりの2月27日、政府より臨時休校の要請がありました。3月20日まで休校とする措置を決定したため、本日が今年度最後の授業になりました。生徒の健康と安全を守るためには仕方のないことです。早く落ち着いた穏やかな学校生活を取り戻したいですね。
ということで、このような展開になるとは予想もしなかった「2月の成城」の様子をお伝えします。
1.中学入試と新入生説明会
令和2年度中学入学試験は例年通り2月1日から2月3日、2月5日の計3回実施しました。当日は毎朝6時半に出勤しましたが、すでに門の外で塾関係の方々が受験生を出迎えようと待っていました。ピーンと張りつめた空気の中受験生を待っています。応援いただきありがとうございました。
今年の応募者は1日、3日、5日の延べ人数で約2475名。このうち実際の受験者数は過去最高になりました。
2月15日に入学予定者の説明会を保護者同伴で開催しました。入学予定の皆さんからは早く成城生になりたいという前向きな気持ちが伝わってきて、とてもよい雰囲気を感じました。今、最後の小学校生活でしょうが、きっと休校でしょう。健康状態を整えて入学式で会いましょう。楽しみにしていてください。
2.男子校のバレンタインデー
バレンタインデーの数日前の2月10日、高校2年の生徒より調理実習に招待してもらいました。メニューはお馴染みの「チョコケーキ」。自分たちのためにチョコレートケーキを作ります。
ケーキは、中はしっとり、外がカリッと焼けていて上出来でした。温かいうちにホイップクリームを添えて食べるというおしゃれなスタイルで、紅茶とあわせていただきました。
今回は生徒たちの許可を得て招待してくれたグループの紹介をします。
この中には一年中半袖一枚で登校してくる強者もいます。「バレンタインデーにチョコを期待している人は?」と尋ねると、ニヤッとした生徒が数名。男子校ならではの、ノビノビとして和やかな雰囲気に癒された時間でした。ご馳走様!!
3.卒業生の来室
今月も卒業生が数名校長室にやってきました。ある美術系専門学校で学ぶ卒業生のA君は自分の作品をもってきて見せてくれました。近況を報告してくれましたが、表現したい独特の世界観があるA君です。「まだまだなので、もっと自分が求めているものに近づきたい。」と言っていました。
ある私立大学医学部医学科に進学して地方のキャンパスで過ごしていたB君が進級して東京に戻ってきたと報告に来ました。彼は、医学部の一般受験を経験したことから、後輩の受験を支援したいとチューターも引き受けてくれました。折角なのですが、これから感染防止の休校に入るため、自修館も閉鎖中で再開の目途は付けていません。もうしばらくお待ちください。
「大学に合格しました。」と高校3年生や卒業生も報告に来てくれました。現役生は「最後のセンター試験」ということで、安全志向になり早めに推薦で決めるという流れも起こっているところに、11月になって英語の外部試験導入や記述問題導入の延期が発表され、受験生にとっては大変不愉快な時代だと察しています。でも、彼らと接していると、「成城生はこれからまだまだ伸びる」と感じます。最後まであきらめないで頑張ってください。
4. 中学生、高校生の活躍
①第3支部の定期演奏会が2月9日に開催され、合唱部、吹奏楽部が参加しました。左にある下線部分をクリックしてリンクを開くと、記事の最後で録音をお聴きいただけます。
②高校1年の砂長君と萩倉君が2月15日(土)に東京大学の本郷キャンパスで行われた「第7回全国海洋教育サミット」に参加しました。こちらも、リンクを開いてポスター発表の様子と研究要旨をご覧ください。
③中学3年の千島君が「新聞切り抜きコンクール」に入賞したという知らせが入ってきました。校内表彰式の後に改めて作品を紹介したいと思います。
このほかにも部活動や様々な分野で、中学生、高校生が頑張っています。特に、中学生徒会の3年生が、入学してくる新入生のために、YouTubeで校歌紹介の動画を作成しました。(下線をクリックするとリンクします) 成城への誇りと後輩を思う気持ちが伝わってきます。来る成城中学校の入学式で、新入生の歌声が果たして聞こえるでしょうか。入学式までに練習してきて下さいね。初めての試みに今からワクワクしています。
運動部活動では春の公式戦について軒並み中止が発表されています。これも自学自習!!自分でメニューを考えて自主トレーニングは続けてください。新入生にも体育の宿題が出ていますよ。
5.研究会
講演会や研究会にも先生方が足を運んだ2月でした。今月のテーマの多くは「新学習指導要領」「入学試験」「働き方改革」などでしたが、下旬に入ると新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、しだいに中止になるケースが増えて、私自身も予定していた研究会に参加できなくなりました。こちらも急ぎの課題ですが、仕方ないですね。
「校長室だよりを毎回楽しみに読んでいます。」というメールを2月もいただきました。来校者の方々も感想や激励などをくださいました。皆さん私の言葉から成城の教育理念を読み取ってくださり、ご自分の理念の下に感想を述べてくださることが嬉しいです。
学校にいると、日々様々な出来事があり、つくづく「教育には答えがない」と実感します。教育は人と人が関わる営みだからです。私たち教師は、生徒、保護者への対応を模索して生徒が成長するように、学校が少しでも良くなるようにと一生懸命です。時には厳しい判断も下します。「より良い答え」「ふさわしい答え」を目指しています。
明日から3月ですが、冒頭に書きました感染症防止のために3月考査の中止、行事縮小を判断しました。このことで生徒の安全と健康が守られ、活気に溢れる成城の学校生活に戻ることを心待ちにしています。生徒の皆さんには、感染防止に努めながら与えられたこの時間を有意義に過ごすことを期待しています。
令和2年2月29日 校長 栗原卯田子