和気あいあい
6月といえば紫陽花の季節。青、紫、ピンクの紫陽花は、梅雨空の霧の中に群生しているように見えたり、近づくと葉に水玉をつけていたり、とても幻想的で素敵です。また、小さな花がたくさん集まっている花なので、本校のような「和気あいあい」のイメージも持っています。この花の色は土壌の「pH度合い」によって変わるとよく聞きます。そういえば、この6月に行われた教育実習では、化学の授業で実習生が、pHを対数 (㏒)を使って説明し教えていました。数学の演習プリントを作成し化学のための計算練習を生徒にさせていました。さて、6月号では、紫陽花のように多様で個性的で和気あいあいの成城の様子をお便りします。
1. 部活動
ホームページの「スクールライフ」には、自転車競技部、中学硬式テニス部、中学野球部、中学バスケットボール部など様々な部活動の成果が紹介されています。高校バレーボール部では、懸垂幕に掲げらているように、今年も6月1日と2日に東京都高体連主催の関東大会出場を果たしました。
勉強と部活動の両立は、生徒にとって大きな課題です。成城の教育は文武両道主義。運動部に限らず何か自分が好きなことをやり抜くという「文武両道」で、人として成長することを目指しています。
2.東京私立男子中学校フェスタ
毎年の恒例となった男子中フェスタ。今年は6月9日(日)に日本大学豊山中学校を会場に開催され、本校も参加しました。今回のフェスタの来場者は7200人を超え、過去最高とのことでした。
当日は男子中学校に興味がある小学生と保護者で大賑わいでした。成城では、科学部やジャグリング部などの部活動が参加したほか、本校のブースでは、本校教員と保護者による個別相談を実施しました。これらとは別に、本校教員による体験授業やミニ説明会、さらに、各校の生徒による学校紹介、各校の校長による5分間講演などのイベントにも参加しました。当日は、6月29日に予定されていた本校主催学校見学会が既に満席で受付できない状況にあったため、個別相談ブースには多くの方が訪れました。ブースでは、学校見学会での内容に触れながら、また、本校の保護者の方も親の立場から受験生に対応してくれ、近い距離で和やかな雰囲気が生まれ、楽しいひと時になりました。参加された方々は、男子校の魅力、特色を感じることができたのではないでしょうか。まさに“男の子たちのための特別な一日”となりました。
3. 視聴覚行事
こちらも毎年恒例の行事です。今年の視聴覚行事は6月4日に新国立劇場でオペラ「蝶々夫人」を全校生徒で鑑賞しました。
行く前は、イタリア語のオペラなので、生徒たちはどのように反応するのか正直心配でした。しかし実際は全くの心配無用で、オペラ鑑賞の素晴らしい経験となりました。予習の効果もあったと思いますが、高い芸術性のあるものには誰もが心動かし伝わるものなのだと感心しました。悲劇で終わる最後の場面には息をのむような緊張感が走り、終わると同時に満場の拍手があり、生徒たちの感動ぶりが伝わってきました。
4-1.卒業生来室(丹羽君)
6月3日に、この3月の卒業生がひょっこり校長室を訪問しました。彼は台湾の国立大学に合格したことを報告に来てくれました。
これで台湾の大学で学ぶ者は4人目。進学先の大学や専攻分野はそれぞれ異なりますが、共通して彼らは努力家です。苦労していますが、自分の夢を持っています。
台湾の大学への切符に志を立てて、自らの道を自ら切り拓いていくことでしょう。そして、新しい何かを創り出すことと期待しつつ、これからを見守っていきたいと思います。
4-2 アメリカより翁柏偉(Po-Wei Weng)先生来校
米国マサチューセッツ州の高校 The Cambridge School of Westonで教鞭をとられている翁柏偉(Po-Wei Weng)先生が、本校を訪問されました。その高校は現在の全米トップ10にランクインする学校で、先生は国立台湾大学のご出身です。東京に滞在中に都立高校と私立高校の見学を希望され、本校を訪問されました。先生は言語学科長と留学生アドバイザーもされてますので、本校では、台湾グローバル研修の事前研修の一環として、今夏の台湾研修に参加予定の生徒たちと交流しました。
このような台湾、アメリカとの交流の機会が得られたのは、現在台北駐日経済文化代表処(大使館にあたる)でお務めの黄教育部長のお力添えがあったと知りました。以前、私が台湾を訪れた際に教育部(日本の文科省にあたる)でお目にかかった実力者です。本校と台湾やアメリカとのつながりがこのように濃くなり充実してきたことを嬉しく思い、関係する皆様のご支援、お力添えに深く感謝しています。
4-3.台湾の実践大学より(梅澤君)
6月27日、台湾にある実践大学の1年生である本校の卒業生梅澤君が、実践大学の先生とともに来校してくれました。
梅澤君は、ウォーターボーイズ、臨海学校補助員、オーストラリア研修等、成城の様々な行事を経験し、剣道部部長としてリーダーシップを発揮した生徒でした。彼は現在、実践大学で国際経済学を専攻しています。この授業はすべて英語で行われ、久々に会って英語の上達ぶりに驚かされました。若いって素晴らしいですね。中国語は、好きな剣道を台湾人に教えながら学んでいるそうで、中国語もかなりできます。将来は、英語と中国語と日本語の3か国語を駆使してグローバル社会で活躍したいそうです。秘かに台湾からアメリカ留学も視野に入れている様子です。同行された先生も彼の成長に驚かれていました。彼は9月から2年生に進級します。これからが楽しみです。
5.教育実習
6月3日より、本校で2週間と3週間の教育実習が実施されました。今年は成城高校卒業生以外の学生の実習も受け入れ例年とは少し違う雰囲気でした。6月29日には全体の反省会が行われ、それぞれに教師の卵としての思いを語ってくれました。実習を通して、生徒だった時の教師のイメージと、実際に教壇に立った時に感じた教師の仕事との違いに驚き、大変さと同時にやりがいも感じたようでした。
6.高校生親善訪中研修
この8月に、日中高校生親善交流の日本代表として、3人の成城高校生が今年初めて中国へ行き研修する機会を得ました。私もかつて、日中友好事業の一環で、都立高校の生徒400人と船に乗り中国へ行く15日間の洋上研修を引率者として経験したことがあります。生徒と行った初めての海外で、今でも忘れられない強烈な印象の研修でした。成城生が、他の私立高校の生徒たちと一緒に中国の高校生や大学生と交流し、どんな体験をして何を感じて帰ってくるのか、今からとても楽しみにしています。
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今回は話題が豊富で長くなりましたが、このほかにも、国立東京農工大学のグローバル教育院が募集した「GIYSEプログラム」に、成城高校1年生の4名が合格し参加することになりました。これも文武両道。運動以外でも「得意」に失敗を気にせずに思い切り挑戦してほしい。成城生はこれからもっと芽が伸びてくると思っています。
今月は、学校説明会の機会が多く、受験生の小学生と触れ合う機会も多くありました。小学6年生は自分が入学したい学校選びと受験勉強に忙しくなりますね。頑張ってください。
令和1年6月30日
校長 栗原卯田子