お知らせ
NTTデータ・上田郁哉先生講演会
9月6日(木)、高3選択国語表現(担当及川)の授業で、NTTデータ経営研究所・上田郁哉先生の講演会を開催しました。この授業は、慶応大学などを志望する14名が履修しています。
上田先生は、エネルギー・電力分野のコンサルタントとしてビジネスの第一線で活躍しておられます。小論文に必要な発想力、論理的思考力について、「社会で求められる考える力」という観点を絡め、ワークショップ形式で授業を展開されました。
まず、「人工知能やロボットにより、人間の労働が代替されていると思うか否か」という問いに対し、肯定・否定2つの立場でグループ分けをしました。そして、エンジェルスの大谷翔平選手が高校時代に自己啓発に活用した「マンダラート」という思考ツールを用い、自分と反対の立場の人から想定される疑問を列挙し、それをグルーピングしました。
続いて、世界中のコンサルティング会社、企業、大学などで利用されている「ロジックツリー」(「ピラミッド・ストラクチャー」)を用い、「マンダラート」で抽出した〝反論〟に対して、根拠を挙げつつ自説を構築していくワークを行いました。その後、全員のワークシートを肯定・否定に分けてホワイトボードに貼り出し、互いの思考を共有しました。
上田先生は更に、「ピラミッド・ストラクチャー」を文章へと転換する方法を、具体例を交えて示されました。生徒は、小論文における構想から執筆過程への応用を、それぞれ考えながら聞いていました。
上田先生のご講演は大変テンポよく、内容的にも、抽象と具体とが絶妙に配合された端正なものでした。超一流のプレゼンテーションに接することができたことに、教員も大いに感銘を受けました。特に生徒諸君にとっては、目の前の受験勉強と社会で求められる力との連続性に気付けたことは、勉強の意義を再確認し、あらためてモチベーションを喚起するきっかけになったことでしょう。今後折に触れて、上田先生のお話が思い起こされることと思います。
上田先生、ご多用中にも関わらずお越しくださり、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。