来年はきっと良い年。
今日は午前中にちらちらと雪が降りました。平成29年(2017年)は、想定外の出来事が公私にわたって様々ありましたが、すべて良い方向に向かっています。今思えば新しい年への準備ともいえるようなそんな年でした。来年はきっと良い年ですね。
それでは12月の振返りをお便りします。
1.中学説明会
年内最後の学校説明会が12月2日に開催されました。とても大勢の方に事前予約を頂き、当日はキャンセル待ちで参加された方もありました。事務室の前で個別相談会も実施しましたが、完全六年一貫型への移行のことなど、皆さんとても熱心に質問され感心しました。
また昼休みには一目散にカフェテリア(食堂)に向かう生徒や、芝生グラウンドでスポーツをする生徒たちを眺め、ノビノビとした環境や雰囲気を感じ取ってくださった様子でした。受験生や保護者の皆様には6年間過ごす成城の方針と校風をご理解いただくことが何より大事と思っています。保護者の皆さんとの身近な交流がとても印象的でした。
成城が気に入っている受験生へ。あと1か月です。最後まであきらめないで頑張れ。
2.校長研修の講師
12月5日(火)、ある教育委員会で指導室長をしている知人に校長研修の講師を頼まれ、90分ほど講演をして引き続き意見交換をしました。聴衆の中に知っている方がいてびっくりしましたが、教育への思いの丈を話しました。私立学校と公立学校、それぞれ立場が異なりますが、結果として自分にとっても、学校経営の勉強をするいい機会となりました。生徒たちへの思いの共有ができたことが一番嬉しく良かったと思います。
3.再びの竜田先生講演会
12月16日、早稲田大学の栄誉フェロー、名誉教授である竜田邦明先生の講演会を開催しました。2016年の講演会とサイエンス・カフェに続いて3回目のご講演で、一学校としてはあり得ない開催だったと思います。というのは、竜田先生のご専門は有機化学で、四大抗生物質群を含む102種の天然生理活性物質(天然物)の全合成を達成された方で、国際的に「Dr. Total Synthesis(全合成)」と呼ばれる世界的に有名な先生だからです。にもかかわらず、「おいしいアンパン」の話で会場を盛り上げる大変気さくなお人柄の持ち主で、聴衆の中に入って話しかけます。
「知の創造と活用」と題しての今回のご講演は、先生の研究生活を通して得られた物事の見方や考え方について、身近な話題を交えながら分かりやすく語られたものでした。何度聞いても元気が出てくるすばらしいご講演でした。
4.グローバルリーダー研修報告会
12月16日(土)、この夏に実施されたグローバルリーダー研修(エンパワーメント・プログラム、オーストラリア研修、台湾研修)の報告会が開催されました。準備、運営、司会のすべてを研修に参加した生徒たちが行いますので、当日をとても楽しみにしていました。総合司会は文化祭実行委員長をした高2松下竜己君。発表も研修別にすべて生徒たちが行いました。男子校特有のユーモアを交えながら自分たちの体験を語る生徒たちの姿は頼もしく、プレゼン能力もたいへん高くなってきたと感じました。
研修に参加した生徒のほかに、これらの研修に興味、関心のある生徒や保護者が大勢参加して大変盛会でした。入学前に学校説明会で話を聞いていたが、生徒たちの生の声を直に聞けて感激したという感想があり、ホツトしました。
このほか、報告会当日の参加者アンケートには、様々な立場からの提言や要望も書かれており、それぞれの研修の取り組みにまた新たな課題を見つけました。これらを来年の研修に生かしていきたい、と思っています。
5.マリースクール
1学期は中学3年生、2学期は中学2年生の希望者を対象に8回ずつ試行した「マリースクール」の出前授業。このブログで以前から紹介している通り、理科と算数の授業を英語で実施する取り組みですが、本当のねらいは理科と算数で英語を学ぶ授業です。12月20日には保護者を招いて「発表会」が実施されました。
今回の発表は、①Question ②Guess ③Materials ④Members ⑤ Conclusionの4つを盛り込んでポスターを作り、グループ発表し、Any question? で締めくくるという内容でした。生徒たちは参観していた先生方や保護者からの英語の質問に笑顔で答えていました。大学でゼミを担当されているあるお父様から、中学生のうちに是非このような体験をさせたく継続してほしいと要望されました。他の保護者からもぜひ続けてほしいと依頼され、現在次年度のプログラムについて思案中です。まずはマリースクールの先生方大変お世話になりました。ありがとうございました。
6.成城への応援メッセージ
今年も数多くの方々から、クリスマスカードや生徒たちへの応援が届きました。ありがとうございました。その中のいくつかを紹介します。
地下鉄サリン事件の解決に貢献されたアメリカのコロラド大学名誉教授のアンソニー・トゥー先生からは、12月2日に「もみの木」のドイツ語の歌が入ったクリスマスeカード。数分間歌が流れてキラキラと星が輝くものでした。さらに12月24日には3人のお孫様と一緒に撮ったトゥー先生の写真と、ご家族の写真を送っていただきました。
また、12月30日には、エンパワーメント・プログラムの創案者であるカリフォルニア大学ディビス校の藤田先生からは成城学校と成城生へ応援メッセージを頂きました。
すごいことになっているな、と思ったのは下の写真です。
12月25日に竜田先生が届けてくださった「元素手帳2018」(株式会社化学同人発行)です。見開きのウィークリーページにはホーキング、ポアンカレ、野依良治、北里柴三郎など「心が元気になる!科学者の名言」が掲載されています。2月5日の週のページを開いたら、何と竜田先生のお言葉「100個の条件検討をしても思うように進まなければ101個目をやればよい。」が掲載されていました。竜田先生すごいですね。2018年は素晴らしいことがありそうな気がしてきました。
来年はもっとよいことに出会えそうな気がしています。皆様もどうぞよいお年をお迎えください。
平成29年12月31日 栗原 卯田子