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校長だより

Never give up!!

早朝の正門前。紅葉した桜の落ち葉を本校警備員と職員が毎朝掃いてくれています。大きなビニール袋4つ分の量。大変な仕事です。清掃された朝の道はいつも爽やかでとてもありがたいと感謝しています。

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8時を過ぎた頃から本を片手に、或いは友達と語りながら生徒達がどんどん門をくぐります。服装を整え「おはようございます!」という元気な声。

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8時30分。始業のチャイムが鳴り学校生活が始まります。

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8時30分の玄関

  そんな11月の様子を振り返ります。

1.【マリースクール】

マリースクールとは、以前にも掲載しましたが、理科・数学を利用して英語を学ぶ出前授業のことで、1学期は中学3年生、2学期は中学2年生の希望者がそれぞれ計8回ずつ受講している試行授業です。抽象的な内容を含むエンパワーメントプログラムとは違って、学習内容が身の回りの具体的なものなので、中学生向けに昨年より試行しているところです。

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11月は中学2年生が、運動会明けの10月から始めたプログラムを進めていました。12月には保護者向けに発表会を予定しているようなので楽しみにしています。次回の校長室だよりで紹介したいと思っています。

2.【第5回教育講演会】

11月4日(土)順天堂大学国際教養学部教授のニョンサバ・フランソワ先生をお招きして「夢をあきらめないで ~Never give up your dream ~」という演題でご講演を頂きました。

ルワンダのご出身で、電気のない家庭で生活をしながら勉強し、国費留学生として中国の大学に派遣されて医学部を卒業。さらに修士課程を修了。その矢先にルワンダの紛争で家族を亡くし、失意の中、自らの命も救ってくれた日本の順天堂大学関係者と出会います。順天堂大学大学院博士課程で医学の研究を進める道が拓かれ、現在は国際教養学部で教鞭をとられています。生きるということは、学ぶということは、どういうことなのかを考える機会を与えてくださった素晴らしい講演会でした。

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9月の講演会の時と同様、参加した多くの保護者から「是非これは生徒全員に強制して聞かせてください。」と要望されました。この要望は、聞いてほしいと願う相手(生徒側)に「聞かないで後悔するより、まずは聞いてみる」という姿勢がなければいつまでたっても起こりうることです。「聞いてみなければわからない」「聞かないで後悔するより、まずは聞いてみよう」という姿勢や知的好奇心が生徒たちに芽生えてくれば、きっと自分から参加するのでしょう。

 3.【マラソン大会】

中学生が9.5キロ、高校生が10キロを走る恒例のマラソン大会。今年は11月15日、雨上がりの森林公園で実施されました。

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まずは、生徒の感想文から。生徒の内なる面が見えて感動しつつ面白く読ませてもらいました。その中から一つだけ紹介します。「毎年マラソン大会が終わって気づくことがありました。僕は毎年、500メートルほど走ると、すぐ息が切れ、2キロメートルほど走ると歩きたくなり、5キロメートルほど走ると限界だと感じます。しかし、10キロ完走しています。つまり、人間には、肉体的な限界はあっても、精神的な限界はないということです。だったら勉強ができるようになるかと聞かれればうなずけませんが、マラソン大会を通しての僕の肉体と精神の完走として気づいたことです。」(高校1年生)

精神的な限界はない、確かにそうかもしれない。だから”Never give up!! “が意味のある言葉になるのでしょうね。

今年のマラソン大会の参加率は高校3年生も含めて96.4%と大変高く、走行時間は中学が1時間26分、高校が1時間28分といずれも時間内の完走でした。完走者全員が制限時間内だったという快挙。ここ最近なかったと聞きました。私にとっても初めてです。成城生の「集団で頑張る力」が伸びてきたように感じました。

当日は交通機関の遅延の影響で出発に間に合わなかった生徒もいました。彼らは公園内のゴミを拾ってくれて、閉会式のときに改めて見渡した公園の周囲はとても綺麗になっていました。みんなで頑張ったマラソン大会だったといえます。

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4.【避難所訓練】

成城学校避難所運営管理協議会が毎年実施している避難訓練。今年は11月19日(日)に実施されました。

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今年は通常の避難訓練に加えて、事前に「防災イベント」として地域の人達にポスターや標語などの作品募集を行い、運営管理協議会で選定した結果を表彰しました。自助共助の意識を高め、避難訓練への参加拡大を狙っての取り組みでした。

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本校からは中学、高校いずれからも受賞者が出ました。

5.【台湾教育視察】

避難訓練の翌日の11月20日から4日間、台湾に行ってきました。台湾グローバル研修を始めて3年が経ち、本校と台湾の教育機関の間に様々な関係ができてきました。今回は台湾教育部(日本の文科省相当)が関与して設立された学術組織である日本台湾教育センターから「日本高校長台湾教育視察団」として台湾に招待されました。

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訪問先は、台北にある淡江大学、国立台湾大学、台湾教育部、中原大学、そして高雄にある義守大学附属国際高校、義守大学、文藻外語大学、樹徳科技大学の八か所で台北から高雄へは新幹線で移動するという忙しくも充実した視察旅行でした。旅行中、日本はひと雨ごとに寒くなり、パイナップルが自生する高雄では気温は30度でした。

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訪問中強く感じたことは、台湾が極めて親日的であること。さらに日本からの留学生たちとの交流があり、彼ら学生たちがどの大学でも生き生きとしていて非常に前向きにチャレンジしていることでした。学生たちから聞いた言葉を2学期末に発行する「学校だより」で紹介したいと思います。


早いもので明日から師走。まもなく12月考査が始まります。マラソン大会で見せた気合いを勉強面でも発揮しましょう。期待しています。Never give up!!

平成29年11月30日    栗原 卯田子