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校長だより

明日から新年度!!

平成28年度最後の月は、修学旅行、学年末考査、テーブルマナー、卒業式、謝恩会、修了式、イベント・・・慌ただしく過ぎていきました。これらのいくつかを校長の視点から紹介したいと思います。

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ヤングアメリカンズ(中1)

高3テーブルマナーのデザート「三光星」

1.中学3年沖縄修学旅行

3月3日から3月6日までの3泊4日、中学の沖縄修学旅行に同行しました。1日目の平和学習で生徒達はひめゆりの塔と平和祈念資料、そして平和祈念公園にある平和の礎などを見学しました。沖縄修学旅行は都立高校に勤めていた時代に何回も引率をしましたが、かつてに比べると沖縄の施設はきれいに整備されました。また沖縄戦を経験された方々が高齢になられ証言映像ビデオで講話をお聞きするなど、ずいぶんと時が経ったという印象を持ちました。生徒達の真剣に平和を希求する心は変わりません。

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2日目は体験学習。私は美ら海水族館を見学し、次に深海生物の研究施設、サンゴ村に行くというコースに参加しました。美ら海水族館では巨大な水槽の中で飼育されているジンベエザメやマンタを見て、沖縄の海や豊かな自然や生態を学習するとともにこれらをどう守っていくのかを考えました。あっという間に時間が過ぎていきました。

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目の前にジンベエザメが2匹出現

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巨大水槽の前でカメラを構えてお目当てを待つ

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円卓を囲んで楽しい夕食

サンゴ村では、白化現象で消えゆくサンゴを植付けによって再生し20年前の景観を取り戻そう、というプロジェクトの一環で行われている作業を体験しました。私たちが作ったサンゴ苗は、半年程度後にダイバーにより美ら海に植え付けされるそうです。少しいいことをしたなと思った環境学習の一日でした。

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まずサンゴについての説明をききます

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植え付け用の土台と爪楊枝

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土台に苗を植え付けました。これから海水の中に。

 

2.語彙・読解力検定(中学3年)

今年の中学3年生は、入学以来10分早く登校して朝読書をしたり、全員で俳句(伊藤園おーいお茶)や短歌(杉原千畝)に挑戦したり・・・、言語による表現活動に積極的に取り組んできた学年だと思っています。昨年、朝日新聞とベネッセコーポレーションが実施している「語彙・読解力検定」を全員が受け、70%以上が検定に合格したとのことで、3月11日の朝日新聞に本校が「優秀団体賞」として表彰されたことが掲載されていました。

彼らは3月18日に成城中学校を卒業しました。中学校での積み重ねがこのような形で現れて、嬉しく思います。

 

3.高校修了式

本校の修了式は、卒業式の数日後に、中高それぞれ二学年を集めて小講堂で行われます。高校の修了式では、今年の高校卒業証書授与でのことを思い出しながら、私の考えと感想を伝えました。

私は高校紛争を経験した世代で、私が卒業した高校では卒業式は実施されず恩師や友との別れの場もなく、卒業証書とアルバムが自宅に郵送されてきたこと・・・校長として毎年卒業証書を授与するたびにそのことを思い出すこと、そして卒業式はこれまでの3年間の自分を振り返りながら人生の節目を自覚し自らの生き方を仲間と共に考え祝う、思い出深い時であってほしいこと・・・。

そして、修了式での私の話を、真剣に聞き入る生徒たちの姿に感心しました。成城学校の卒業式、修了式は厳粛で、伝統校らしい重みを感じています。

 

4.幼稚園卒園式

成城牛込幼稚園も3月17日に卒園式があり、招待して頂きました。「こーちょーせんせー!」といつも手を振って迎えてくれる元気な園児達。「おめでとうございます!」と声をかけるとすぐさま「ありがとうございます!」と大きな声でかえってきました。

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卒園児をみんなで囲んでこれから式が始まります。

胸に付けているバッチを見ながら、「小学校に行っても、一生懸命お勉強をして(知)、お友達に優しく(仁)、チャレンジする(勇)生徒になって頑張ってくださいね。」とお祝いの言葉を贈りました。「チャレンジの意味はわかりますか?」と聞いたら「やってみること!」と返してくれました。将来が楽しみな子達です。男の子たち!成城中学校で待っていますよ。

 

5.地域防災シンポジウム

高齢化時代の都市災害対策として、3月21日午後2時半より、本校小講堂で「災害対策について『伴に』考える研究会」のシンポジウムが開催されました。開催趣旨は、東京都の最重要課題である「防災」を新宿区の指定避難所である本校をモデルに都市型災害対策づくりをすることです。東京都、新宿区、東北大学、順天堂大学、地域の皆様、そして成城学校が一緒に取り組みました。

今回は、WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)の医師である茅野竜馬先生が基調講演をされました。国連機関でエネルギッシュに課題解決に向かわれている先生のご活躍の様子がよく伝わってきました。

茅野竜馬先生

基調講演される茅野竜馬先生

続いて、成城学校避難所運営管理協議会によるパネルディスカッションがあり、生徒会と共に参加しました。皆それぞれの立場で意見を述べました。研究者、行政、地域、学校が伴に都市災害対策を考える機会として、今後も継続して取り組んで課題に挑戦していきたいと思っています。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

パネルディスカッションで私が一番伝えたかったことは、避難所として指定を受けているものの本校は私立学校であるため、避難所としての機能がまだ十分ではないことです。例えば、災害時の特設公衆電話が設置されていない、という課題がありました。しかし、この研究会での活動を通して、新宿区の避難所用の回線に限って本校に災害時特設公衆電話の設置工事が許可されました。これも新宿区危機管理課との連携により実現した災害対策研究の成果の一部だと思います。

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生徒を代表して発言する桃田生徒会長と前川君

このシンポジウムのおかげで、生徒会が大変やる気になり、広報活動を始めました。これからも課題解決の意識をもって生徒会を応援して、命を守る取り組みを進めていきたいと思っています。

 

6.吹奏楽部定期演奏会

3月23日吹奏楽部第25回定期演奏会が杉並公会堂で開催されました。高2の部員にとってはこれが最後となる演奏会。多くの関係者が来場され活気があり、盛り上がりました。

いつも通り卒業生小泉貴久さんの指揮、家庭科講師の山田先生の司会で一曲目が始まりました。あれ?女性が参加しているとつぶやく声。よく見ると、音楽科講師の上田先生が参加されていました。つい先日卒業した高3生もOBとして参加し成城健児総勢84名が参加する大演奏会となりました。

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指揮は化学の森先生

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OBバンドでは、ミュージシャンとして活躍されている方が紹介され、迫力ある演奏が披露されました。また、高2を送る演奏では、ソロ演奏を通して個性や吹奏楽部への思いが伝わってきました。

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プログラムの間に、学習院中・高等科吹奏楽団の定期演奏会の案内と、4月8日9日の飯田橋の「ラムラ春のわくわくまつり」を紹介するチラシが挟まれていました。「ラムラ春のわくわくまつり」には吹奏楽部とジャクリング部が参加しますので時間のある方には足を運んで応援して下さると嬉しいです。

 


今日で平成28年度が終わりました。3月26日(日)に国際フォーラムで行われた「元気フェスタ」では、多くの元気な小学生に出会いました。何と成城中学に入学が決まっている生徒も、保護者や兄弟と一緒に顔を出してくれました。新年度に向けてそれぞれの準備が始まっている、と思いました。

生徒を取り巻く環境が激しく変化する中で、校内では生徒を思う教員たちの熱さに触れる一年でもありました。成果と反省をもとに、みんなでより良い学校づくりをしていきましょう。

いよいよ明日から新年度です。新しいメンバーを迎え、成城はこれからも、生徒と教員の距離が近い学校づくりを目指し人間教育を標榜していきます。

平成29年3月31日 校長 栗原卯田子