お知らせ
生徒会:青少年フィランソロピスト賞贈呈式
2016年12月13日(火)に学士会館(東京都千代田区)開催された、「青少年フィランソロピスト賞奨励賞」の贈呈式に、生徒会から二人の生徒が本校代表として参加しました。その一人である、高校一年 武井翔君の報告を掲載させていただきます。
フィランソロピスト賞受賞に際して《多くの学びと驚き》
一、フィランソロピーとは
成城学校はこの度、『青少年フィランソロピスト賞』の一つである《奨励賞》を受賞しました。フィランソロピーとは、お互いを思いやる社会をつくる慈善活動のことです。また、選考いただいた「公益財団法人 日本フィランソロピー協会」は、「民間の果たす公益の主体となる企業や個人の社会参加意識を高め、誰もが生き生きと暮らし、お互いが支え合うことができるフィランソロピー社会の実現を目指す」*1団体です。主な活動として、企業や個人の寄付やボランティアを始めとする社会貢献活動の啓発やプログラムを通じての実践を行っています。
二、授賞式の様子
今回参列させていただいたフィランソロピスト賞贈呈式は、私にとって有意義かつ貴重な時間で、多くのことを学ぶ機会となりました。贈呈式の次第は、初めに授賞式が行われ、次に各受賞者による発表、その後に懇親会というものでした。
授賞式には、小学校・中学校の生徒から高齢の方までの幅広い年代の方々、北海道、島根、佐賀や福岡など様々な地域からいらした方々が集まりました。司会者の方の話によると、このフィランソロピスト賞の歴代受賞者の中には、COCO壱番屋の創業者の方もいらっしゃるそうです。私は、様々な年代・地域・職業の方々がいらっしゃったことにとても驚きました。また、彼らの活動を聞いていると、田舎の活力を蘇らせたり、下半身が動かない状態の中、デザイナーとして募金に協力したりなさっていて、自分が困難な状況であるにもかかわらず、誰かのために行動する勇気に感銘を受けました。
三、発表
私たちの発表では、渋谷先輩を中心に、成城の成り立ちや今までに行ってきた核廃絶の高校生一万人署名への協力、あしなが学生募金や熊本募金活動等の社会貢献活動について話を進め、最後に『無限の瞳』*2の上映を行いました。
私たちも懸命に発表をしましたが、他の方々の発表を聞く中で、私が一番感銘を受けた発表は、小城市立砥川小学校のものでした。彼らの住む町は、江戸時代、石垣づくりや護岸工事などで活躍した「肥前石工集団」が住んでいたそうで、彼らはそんな石工たちが作った菩薩や如来などの石仏を守るべく活動しています。例えば、石仏をモチーフにした版画カレンダーを作り、募金に協力していただいた市民にお礼としてプレゼントするというようなものです。そのような活動を続け、今までに70万円ほどの募金が集まり、石像の修繕に貢献しているそうです。私は、この活動を小学生が自分たちで行っていることに感動しました。また、私たちが小学生の頃、こんなに大変な事業をできただろうかと考えてしまいました。
四、懇親会
懇親会では、発表の際に上映した『無限の瞳』*2の反響を多くの来場者から聞くことができました。来場者は、未だに白黒の映像が残っていることや、生徒が率先して映画を作ったこと、成城生徒会が被爆した成城生のために他校も巻き込みながら活動を起こしたことに、大変驚いていました。
また、レスリングの選手や成城学園出身の方*3など多くの方々とお話をしました。ある年配の男性は、高校生の時に色々な問題を自分たちの手で解決したことや思い切って校長先生と討論したことなどを、昔ながらの精神を絡めて熱く語ってくださいました。その話を通して、やはり生徒自身で何かを始めなくてはいけないのだということ、先生に頼りすぎるのはあまり良くないということ、一つの目標があったらその実現に向けてひたすら頑張ることの三つを学びました。
五、まとめ
これまでの活動と贈呈式での経験を通して、私たちにはまだまだ貢献ができることがたくさんあることを実感しました。この発見や経験をもとに、これからの生徒会活動で、より多くのことが実践できるように努めていきたいと思います。今年はその第一歩として、広島に住んでいた私の経験を活かして、署名活動に力を入れたいと考えています。
最後に、フィランソロピーの精神を通じて多くの人と繋がり、多くのことを学ぶことができ、また、今までの努力が実りの多い活動となったことを、とても嬉しく思いました。
注
*1:日本フィランソロピー協会 パンフレットより
*2:かつての成城生徒会が製作した映画。被爆した一人の成城生のために募金を呼びかけ、また、この悲惨 な出来事を未来へ伝えるために作られた。
*3:渋谷先輩が発表の時に、成城と成城学園の違いを語った。