成城生、元気一杯です。
2月と言えば受験シーズン。本校でも「中学・高校の入学試験」があり、高校3年生や浪人生にとっては「大学入試」に明け暮れる月でした。
1.合格おめでとう・新入生説明会
今年の中学入試は本校にとって過去最高の応募人数となり、多くの受験生がチャレンジしてくれました。採点、得点集計、合否判定会議等に全員体制で臨みましたが予想以上に時間がかかり発表時間が遅れてしまいました。受験生にとってはハラハラする気持ちの中、大変申し訳なく思っています。翌日から合格証の手渡しをしました。「よく頑張ったね。」と声をかけると、「これからよろしくお願います。」と礼儀正しい返事が返ってきました。まもなく成城生となる皆さんに期待しています。
2.一通の葉書
中学の入学試験の頃に一通の絵葉書が届きました。在校生のおばあ様からで、本校の二人の教員が亡くなったことを中学生のお孫さんから聞いて筆を執ったとのこと、本校への温かい激励の一通でした。チーム成城、みんなで故人の志を大切にして頑張っていきますよ。お心遣いに感謝しております。
3.大学入試の速報
東大推薦入試の初年度と言うことで、難関国立大学「推薦・AO入試」高校別合格者人数がサンデー毎日(2月28日号)に掲載されました。本校では東工大に2名が合格しています。実際はこれからが一般入試本番ですが、嬉しいニュースでした。私大の発表も始まっていますが、本校ホームページで正式にお知らせします。このほか、昨年の卒業生が杏林大学医学部医学科の東京都地域枠(奨学金)入試に合格するという素晴らしいニュースが入ってきました。東京都に貢献する医師を目指す特待生として6年間の学費3,700万円が東京都から大学に支払われ、さらに月額10万円が本人に貸与されるということです。国立大学医学部よりも経済的負担が軽い道が開かれたことで、後輩たちに元気を与える快挙となりました。
4.算額
「和算」をご存知ですか。数学の教科書に載っている西洋の数学に対して、鎖国をしていた江戸時代に日本固有の発展をした数学を「和算」といいます。和算は江戸時代、数学者だけでなく庶民にも親しまれていて、数学の問題を作り「絵馬」や「算額」にして奉納するという、とてもおしゃれで楽しい文化がありました。今年、特定非営利活動法人「和算を普及する会」が主催する「第18回 算額を作ろうコンクール」に、本校中学3年生が応募した作品が「奨励賞」を受賞しました。私は中学時代に幾何が大好きで楽しかった思い出がありますが、ミッキーマウスを奉納するとは・・・!! 若者の思考にあっ晴れです。おめでとう。
5.無限の瞳
中学入試の5日間、成城学校は休校になります。この休み明けに、ひょっこりと高校1年生が校長室を訪ねてきました。「休みを利用して広島に行ってきました。広島平和記念資料館で、成城では映画『無限の瞳』を上映する活動を現在も続けていると話をしたところ、是非見せてほしいと言われました。校長先生、連絡を取っていただけませんか。」と広島平和記念資料館の住所と電話番号と学芸員の方の名前を書いたメモを渡してくれました。『無限の瞳』とは、昭和29年から30年にかけて成城生徒会が制作した映画で、原爆被爆が原因で白血病となり、若い命を失くした当時高校3年だった千葉君の記録を映画化したものです。私は早速広島に電話をし、学芸員の方とつながりました。間もなく何らかの形で資料館でご覧いただくことができると思っています。
本校の文化祭で生徒会が毎年上映していることから広島での話題になったのでしょう。生徒の思いと、行動力を評価したいと思います。知りたいと思うことを訪ねる旅をして、自分で確かめ、人と出会い、自分は何をすべきか自分で考える、という知的好奇心と行動力。結果はどうであれ、今何より大切なものだと思います。
6.合気道
本校の柔道場を使って、「心身統一合氣道会」という会が夜間に合気道の練習をしています。同会の会長は、本校から東工大に進学し、現在は慶應義塾大学の非常勤講師をされている本校の卒業生、藤平信一先生。そのようなことから2月26日に藤平先生が、校長室を訪ねてくれました。お互いになかなか時間が作れずようやくお目にかかることができたという対面でした。早速たくさんの著書を頂戴しました。その中の一冊「動じない」は王貞治氏が巻頭言をお書きになっていますが、王貞治氏、広岡達朗氏と藤平信一先生の三人が語る「氣」をテーマにした鼎談で、奥の深い内容を気軽に読める形にしています。「超一流になる人の心得」として読んでみてはいかがでしょうか。”行間”を読んで考えさせられます。
7.初代校長・日高藤吉郎先生
「日本体育会発祥の地」という碑が本校の正門の右脇にあるのをご存知ですか。
実は、本校初代校長日高藤吉郎先生は日本体育大学の創始者でもあります。現在、お孫さんが日本体育大学の関係のお仕事をされていて、本校にある「遊戯全書」(明治40年発行)を資料として借りていかれました。明治時代に野球などを解説した貴重な資料です。
日高先生が創立された成城学校の前身「文武講習館」は、当時の日本のトップリーダー育成を目指した文武両道主義の学校です。当時は体育という教科が珍しく、はじめは生徒がたった3人だったそうですが、評判になり、やがて日本体育会、後の日本体育大学の創立へとつながりました。
8.最後にちょっといい話
牛込柳町の駅は狭く、登下校時に駅を利用する方々にいつもお世話になると同時に、大変ご迷惑をおかけしています。そんな中で苦情を頂くこともあるのですが、今回は少し様子が違いました。
先日、本校生徒が駅で定期を落としてしまいました。駅を利用している男性がたまたまその定期を拾って生徒に渡してくださいました。その生徒はお礼を言って、その方が電車に乗るのをホームで見送り、電車が発車するまで頭を下げたままの姿勢で見送ったそうです。そのことを本校の教員に知らせてくださいました。お礼の気持ちを”形”で表したのですね。この生徒は。
成城の校長室には日々、成城生の様子を含めて、たくさんの情報が入ってきます。来月はいよいよ卒業式。嬉しいような淋しいような・・・。今から準備にそわそわしています。
平成28年2月29日
学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子