最後まであきらめず皆で挑戦する
1.SFC東海林先生による教員研修会
11月9日(月)本校で、私立中高協会第3支部保健体育研究会の講演会が開催されました。講師には、男子ハンドボールチームを全国優勝に導いたご経験を有する、慶応義塾大学総合政策学部準教授東海林祐子先生をお招きして、ご講演を交えたワークショップが行われました。参加された第3支部所属校の体育科や運動部顧問の先生方の皆さんの感想はとても満足度が高かったようです。参加者に交じり私も勉強させて頂きました。何より私にとっては、東海林先生が男子生徒を指導した女性教師だったということで、大変興味深く関心を持ったからです。「スポーツ指導者」という立場を自分に置き替えながら、東海林先生のスポーツ・コーチングのお話を聞き、多くの共感を得ました。また参加した他校の先生方から、指導上の悩みや御苦労を直接聞くことができて、私個人にも大変有意義なひと時でした。
2.全員が完走したマラソン大会
11月11日(水)は、森林公園で恒例のマラソン大会が開催されました。中学生は11時にスタート。9.5キロを走ります。中学の出走者733名、JETのベティ先生、アーシシュ先生も参加しました。
高校生は11時50分にスタート。10キロを走ります。高校は800名が出走しました。この日は例年より暖かく、紅葉もまだ色づき始めたという感じでしたが、綺麗な景色に囲まれて気持ちの良いスタートとなりました。
途中でおなかが痛くなったり、足に豆ができたり…と例年は救護係が忙しく対応しますが、今年は救護車に乗った生徒はなく、校医の先生のお世話になった怪我も靴擦れなどの軽いものでした。
閉会式で「今年は全員が完走しました。」と報告すると生徒達から拍手が湧きおこりましたので、「最後まであきらめず皆で挑戦するという成城の良い校風をこれからさらに盛り上げていってほしい。」と締めくくりました。特に高校3年生の頑張りが印象的でした。
閉会式では中学、高校それぞれの上位3名を表彰しました。
中学は
1位 3年竹内 陸君
2位 3年長守竜哉君
3位 2年鈴木海仁君
やはり、日々努力している部活動の努力が成果に繋がりました。
高校は
1位 3年塩木康平君
2位 2年永山聖樹君
3位 1年日野舜介君
特に3年塩木君は、6年間のマラソン大会で3回「優勝」を勝ち取った努力の人。塩木君が毎日トレーニングを欠かさず頑張る姿を、私も時々目にしていました。『努力は裏切らない』ですね。
中高それぞれの閉会式のあと、公園のごみ拾いをして解散。ごみ一つない広場を後にしました。
3.台湾の中学校とのスカイプセッション
本校の非常勤講師久保先生と二人のJETの先生のご指導により11月13日(金)と20日(金)の放課後に、台湾の台中にある学校と成城中学校がスカイプで交流しました。台湾台中市立光明中学校のリチャード先生が久保先生のお知り合いであるというご縁から実現したもので、本校では中学3年の希望者12名が参加しました。私は別の会合があり参加できないと知ると、ベティ先生(JET)が校長室にビデオカメラを持ってきて、「校長先生、Principal-messageを」と、このイベントに私もすっかり乗せられてしまいました。生徒達は大変喜んで、「またやりたい」と言っているそうです。グローバル化には若いうちほど順応するとつくづく思います。これをきっかけに様々なチャレンジをしてほしいと思います。
4.ケネディ大使公邸レセプション
11月19日(木)、アメリカ大使館より大使公邸でのレセプションにご招待頂き、キャロライン・ケネディ大使にお目にかかりました。私の世代にとっては「ケネディ大統領」と言えば若くして選ばれたアメリカ大統領として、当時アメリカでは勿論日本でも多くの期待を寄せられた大統領でした。その演説を、新聞を読みながら父が私に説明してくれたのをとてもよく覚えています。その後の「大統領暗殺」の衝撃的ニュースも忘れられません。私が小学生の頃でした。
当時大統領と一緒に写真に映っていた幼い「キャロラインちゃん(失礼)」は、子供心に印象が深く、今回のご招待は大変光栄なことでした。このレセプションで私は、成城学校とカリフォルニア大学との連携について紹介しましたが、関係のある方を紹介して下さるなど、大変興味を持って対応して下さりとても有意義でした。感謝しています。
本校の最寄り駅である牛込柳町の近くに常楽寺というお寺があります。10月の初めにご住職がご挨拶に見えて、11月23日(月)勤労感謝の日に、「常楽寺再興四百年記念法要」の中で子供たちによる「稚児行列」を成城学校出発で行いたいとのことで、私はこの日を大変楽しみにしていました。朝ぽつぽつと雨が降っていましたが、行列直前に雨も上がって、かわいらしい行列を見ることができました。成城の百三十年がすっぽり入ってしまう四百年という歴史の長さと、これを支えてきた地元の皆様の誇りを改めて感じました。避難訓練でお目にかかった地域のおじさんに、「校長先生、ご苦労さん!」と、ここでも声をかけていただきました。
同じく11月23日に、カリフォルニア大学デイビス校国際教育センターの藤田先生とアメリカの大学を出た学生たちによる講演会があり、お稚児さんの行列の後、品川に出向きました。本校の生徒も参加していました。藤田先生はこの講演のために11月19日(木)に来日され、私を訪ねて下さったため既にいくつかのお話を伺っていましたが、改めて、先生のご講演と海外大学での学生さんの話を聞きたくて参加しました。ここで会った学生たちの話で印象に残ったのは、スタンフォード大学を卒業し、スタンフォードで大学院博士課程を終えて、現在日本で研究を続けている方で、彼は「スタンフォードっぽい人」「スタンフォードの授業」などについて語りながら、「自分」を紹介していました。中でも印象深かったのは彼へのお母さんの言葉でした。それは『あなたがやらないで誰がやるの?』。元気が出ますね。自分の中にある「何か」をやるのです。この言葉で。
平成27年11月30日
学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子