山岳部:丹沢山行ロッククライミング・沢登り編
山岳部は、11月11日(水)から翌12日(木)にかけて、丹沢合宿を行いました。
11日はマラソン大会当日で、閉会式が終了するや否や、部員たちは大きなザックを背負って埼玉県の武蔵丘陵森林公園から神奈川県秦野市内のキャンプ場に移動しました。1年生もこれまで幾度かの合宿を経験しており、全員で手際よく幕営。10kmマラソンと1都2県縦断の疲れを癒し、翌日に備えました。
12日は鍋割山を登る登山班と、モミソ沢を遡行するクライミング班の2つに分かれて行動しました。今回は主に後者の活動をご紹介します。
朝は6時に出発。戸川林道を外れて水無川を渡り、まずはそこに屹立する…といっても高さ10mほどの岩でロッククライミングの練習です。山岳ガイド資格を持つ顧問が最初に登り、入念に安全の確保をしたうえで、部員が一人ずつ順番に攀じ登ります。クライミング班のメンバーは、前の週の土曜日の放課後に、ザイルの取り扱いや懸垂下降の実技など、予めクライミングの基本を学んでいました。しかし、本物の岩の壁は勝手が違うのか、なかなか次の一手(一歩)が出ない場面も見受けられました。一方、今回同行したALTのベティ先生は、さすがに本場ヨセミテでクライミングを体験したことがあるというだけあって、大胆かつ器用に登り、下降もスムーズ。これには部員たちも感心しきりでした。
全員が1回ずつ練習を終えると、いよいよモミソ沢に分け入ります。モミソ沢は練習した岩のすぐ脇に流れ出る沢で、狭いV字谷ですが、水量が少なく、初心者にも挑戦しやすい沢です。とはいえ、途中にはチムニーやチョックストーン滝と呼ばれる特徴的な地形が無数にあり、登るにも降るにも難儀します。次にどこに手足を置くか、重心をどのように移動させるか――。クライミングは、力任せではうまくいかない、じっくりと考えなければならない頭脳スポーツなのです。
1時間後、ようやく目的地の「大滝」に着きました。この岩壁を越えてしばらく行くと尾根筋の登山道に出られますが、とても難しい壁なので、例年ここで引き返します。部員たちはしばし緊張から解放され、記念写真を撮ったり、お互いに補給食を分けあったりしました。
小休止ののち、あらためて靴ひもと気持ちを引き締めて出発です。降りでは足元が見えにくいため、ホールド(手足の置き場)を探るのに細心の注意を払います。時には先に降りた者が後続のメンバーにホールド位置を指示し、特に危険な場所ではザイルの補助を用いました。慎重を期したので、下山にもおよそ1時間かかりました。
かくして沢登り班は再び水無川を渡り、戸川林道を経てキャンプ場に戻りました。やや遅れて到着した登山班と合流し、温泉で汗を流して解散しました。
全員無事に…と言いたいところですが、水無川で足を滑らせて水と戯れていた顧問が約1名いたということです。