第９回　エンパワーメントプログラム

８月８日(月)から8月12日(金)の５日間、本校において、エンパワーメントプログラムが行なわれました。エンパワーメントプログラムとは全国に先立って本校が初めて実施したグローバル研修で、本年度で９回目の実施となりました。
今年は中学３年生から高校２年生まで７０名が参加しました。
参加者は自分の英語力に合わせて３つのコースに分かれます。
・ベーシックコース
・スタンダードコース
・アドバンストコース
それぞれのコースを取りまとめるファシリテーターの外国人講師と、その中のグループを担当するグループリーダーの留学生が生徒たちと校内でプログラムを進めます。ファシリテーターとグループリーダーはイギリスやニュージーランドといった英語圏の方に加えて、東南アジアや西アジア、アフリカからの留学生の方も多いです。彼らの多くが第二言語として英語を学び話しており、生徒たちにとっては非常に良いモデルとなっていました。

プログラムはオープニングセレモニーから始まります。ここで初めて生徒とファシリテーター・グループリーダーの顔合わせをします。初日ということもあり、ほとんどの生徒が緊張をし、失敗を恐れています。しかし、 “SHY SHY, BYE BYE”というフレーズのもと、ファシリテーターやグループリーダーが積極的に生徒たちの緊張をほぐすため、話しかけたりゲームをしたりしました。そのおかげで、生徒の顔に少しずつ笑顔が生まれてきました。まだまだ、SHY BOYS！前向きな気持ちになれる生徒が少ない印象です。

毎日のプログラムの初めはゲームをしたり、ファシリテーターやグループリーダーの国について紹介して質問をしたりと、緊張をほぐすところから始まります。
どの国の話も非常に興味深く、生徒たちは熱心に聞き入っていました。少しずつ前向きになってきました。積極的に質問をする生徒もでてきました。２日目になると発表をする機会も増えます。まだまだ、自信がないのか紙を見ながら発表する生徒が多いですが、頑張って挑戦をしていました。

この日のベーシックコースでは、それぞれの国の「遊び」の紹介や “Talent Show”と題した特技大会が行われました。今年のベーシックコースは全員中学３年生です。みんな楽しそうにコミュニケーションをとっていました。

アドバンストコースでは、少し発展的な内容に取り組みました。Logical Speakingについてファシリテーターが説明をし、それを身の回りの簡単な出来事を使って生徒たちが考え、発表し合います。アドバンストコースの中心は高校２年生です。さすが高校２年生という意見がでるなか、アドバンストコースにいる中学３年生や高校１年生も先輩に引けを取らないほど、素晴らしい意見を積極的に発表していました。

折り返し地点を過ぎ、後半戦です。このころには分からないことがあったら自主的に説明する生徒が非常に増えてきました。また、休み時間でもグループリーダーに積極的に話しかけ、英語で表現できないことはボディランゲージを使って必死に意思疎通を図ろうとする姿はこのプログラムの真骨頂であり、生徒たちの変化に驚きと感動をおぼえました。

この日のスタンダードコースではロールプレイの発表が行われていました。多くの生徒が恥ずかしがらずに、楽しそうに英語で役を演じていました。

最終日は最終プレゼンテーションを行ないます。午前中は簡単なアイスブレイクの後、どのコースも最終プレゼンテーションに向けた活動、準備に入っていきます。その中で、分からないことがあれば、自主的にグループリーダーに聞きに行き、マンツーマンでプレゼンの指導を受けている生徒も多くいました。
最後まで、必死に彼らから学ぼうとする姿勢は本当に素晴らしいものでした。

ベーシックコースはグループで、スタンダードコースとアドバンストコースでは個人で最終プレゼンテーションを行ないます。皆、一生懸命作ったプレゼンテーションを最後まで諦めずに素晴らしいものにしようと頑張っていました。また、その頑張っている生徒たちを自分ごとのように応援し喜んでいるグループリーダーたちの姿にも心を打たれました。
プレゼンテーションが終わると、各ファシリテーター・グループリーダーから講評をもらい、最後に修了証“Certificate”をもらって、残すはクロージングセレモニーです。

クロージングセレモニーでは、ファシリテーターとグループリーダーからひと言ずつ話をしてもらい、そのあとプレゼントの贈呈を行ないました。各コースの生徒とファシリテーターとグループリーダーに壇上に上がってもらい、プレゼントを渡します。その際にプレゼントを渡す代表の生徒を募るのですが、非常に多くの生徒が「自分がやりたい」と手をあげている姿は、本当に恵まれた人たちと５日間を過ごすことができたのだと実感をしました。

最後に５日間のスライドショーを観て、集合写真を撮って終了です。中には涙ぐむ生徒やグループリーダーもいました。この短い期間に成城生たちと世界中から来た人がこんなにも真に打ち解け合うことができました。
分かり合いたいという思いが芽生え、分かり合う喜びを知り、考え、そして表現する勇気を持つ。大きく成長した５日間でした。