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校長だより

光が見えてきたかもしれない

一年前の今頃は、新型コロナウィルス蔓延防止のための緊急事態宣言を目前に暗闇の中を進む思いでした。現在は、再びの緊急事態宣言がまだ解除されていませんが、この2月から医療従事者のワクチン接種が始まり、感染者数も減少傾向にあり、光が見えてきたように思います。あともう少しかもしれませんね。少し期待を感じることができた2月でした。

1.中学入試と新入生説明会

緊急事態宣言の中、令和3年度中学入学試験を例年通り2月1日から2月3日、2月5日の計3回実施しました。今年は密を避ける目的で、塾関係の方々が門の外で受験生を出迎えて応援することも、受験生と保護者が入室前に小講堂で待機することも止め、正門から体育館まで一方通行の通路を作りました。

体育館入口21

体育館入り口

受験生は保護者と一緒に体育館に入り、消毒をして体育館の順路を進みます。

体育館全体

体育館の出口付近まで来るとサーマルカメラがあります。体育館検温体育館検温2

サーマルカメラによる検温を済ませると、受験生は試験会場へ、保護者は体育館の外へ向かう、という例年にない流れを作りました。

体育館出口

今年は控室を設置せず、お迎え場所を設定しました。試験終了時刻が近づくとどんどんお迎えの方が入ってきて、上からみてわかるように、間隔をあけてお待ちいただきました。

御迎え1

このような感染防止のための工夫を様々重ね、全3回の入学試験を実施しました。さらに、万が一出願した受験生が検査で陽性、あるいは濃厚接触者となった場合の救済措置として追試験を実施し、全ての試験が無事終わりました。応募者は1日、3日、5日の延べ人数で約2163名でした。昨年よりは減少しましたが大勢の受験生が出願し、皆様の協力に感謝しております。ありがとうございました。

入学予定者を集めて2月13日に新入生説明会を実施しましたが、密を避けるため保護者のみで開催しました。新中学1年生の皆さんのキラキラした顔が見たかったです。残る小学校生活を充実して過ごしてほしいと思っています。

2.修学旅行

3月初旬に予定されていた中学と高校の修学旅行はキャンセル料の関係で2月8日に判断が求められました。結論として中学修学旅行は中止し、制限を加えて実施することより、2年後に控えている高校修学旅行を充実させ有意義な旅行を企画することで決定しました。完全一貫校であるがゆえに出すことができた結論です。

高校2年で実施予定だった修学旅行については高校3年での実施になってしまいますが、関西、北陸の2方面を4月11日から3泊4日で実施することになりました。何としても実施したいという熱い思いが生徒からも教員からも伝わってきました。安全に配慮し、感染防止策を徹底した上で、思い出に残る旅行となることを期待しています。

3.映画「無限の瞳」の原版

本校生徒会が制作した映画「無限の瞳」について、昭和56年7月15日付の原版が発見されたことを、校長室だよりの12月31日号で触れました。生徒会室で発見した時に生徒が撮影した写真を見せてもらいました。酢酸のにおいがすごかったそうです。発見された原版

無限の瞳・原版02

映像はデジタル化して保存してあるため、フィルムの原版は「国立映画アーカイブ」に寄贈しました。

アーカイブ

アーカイブ2

現在、傷んだ原版は国立映画アーカイブで修復作業中です。所有権は「国立映画アーカイブ」に、著作権は成城高等学校生徒会にあるということになります。無限の瞳1無限の瞳・原版2 無限の瞳・原版無限の瞳・原版32

以下に、本校の中学生、高校生の活躍を紹介します。 

4.中学技術「探究活動・発表会」

中学3年生の技術科では、今学期「栽培」の分野で探究活動をしました。グループを作り班でテーマを決めて探究し、結果をスライドで表現してまとめ、班ごとに発表会をして、生徒たちによる評価をしていました。生徒たちは休校中にオンライン授業で活用したGoogleの「評価テスト」を使って評価をしていました。コロナ禍では、失ったものもありましたが、変化に対応していく中で手に入れた技術があったと彼らを見ていてつくづく感じました。

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5.「全国学芸サイエンスコンクール」

以前の校長室だより(12月31日号)で報告させていただきました旺文社主催/内閣府・文部科学省・環境省後援による令和2年度「全国学芸サイエンスコンクール」の結果と賞状が届きました。中学校では「理科自由研究部門」と「社会科自由研究部門」に合わせて304人が参加し、高等学校では、「自然科学研究」と「人文科学研究部門」に273名が参加し、チャレンジしました。中学校、高等学校のいずれも「学校奨励賞」を受賞しました。

学芸サイエンスコンクール高校     学芸サイエンスコンクール中学

こうした探究的活動が継続し、令和3年度の「全国学芸サイエンスコンクール」にも引き続きチャレンジしてほしいと願っています。結果を求める以上に「探究する心」を継続させることが大事です。期待しています。

 6.鉄道研究部「ジオラマ」

コロナ禍で、本校鉄道研究部のジオラマが脚光を浴びています。

来館サービスを休止している東京都立中央図書館が、オリンピック・パラリンピックに関連するイベントとして、1964年から2020年の東京のまちの変化が「1964 to 2020~クイズで巡る東京のまち~」をテーマにオンラインで企画展示を実施しています。その中の一つとして、成城中学校・成城高等学校鉄道研究部が制作した「国立競技場」のジオラマが展示室で公開されています。https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/1964_to_2020/diorama2/index.html

「ネットde展示『1964to2020クイズで巡る東京のまち』」はオンライン提示ですので、是非ご覧いただければと思います。

7.中学生の「税についての作文」

本校の地域である牛込・四谷地区を管轄する四谷税務署が、租税教育の一環として中学生の「税についての作文」の募集事業を行っています。本校生徒が5人入賞しました。中でも最高賞を受賞した望田君の作品が会報に掲載されていますので全文を紹介します。身近な体験を素材として、日常生活での出来事と税との関わりを考え、気持ちを率直に表した素晴らしい作品だと思います。

税についての作文

8.部活動の一部再開

本校では、部活動を1月7日から中止していましたが、一定の制限の下で部活動を一部再開しました。2月緊急事態宣言中ですが閉塞感による生徒のストレスを発散するという意味合いで、条件を付けて再開しました。

一言でいうと現在実施している「授業レベルの活動」で、時間にも制限がありますが、各部は制限事項をとてもよく守って活動しています。

部活動再開・マスクして離れてサッカー1写真はマスクして練習しているサッカー部です。部活動には顧問が常に付き添って、時々様子を見ながらマスクをつけたり顎マスクにしたりして、体を動かすことに重点をおいています。現在は、緊急事態宣言が解除された場合の部活動の在り方などを検討しているところです。


 

今年度もあとひと月を残すところとなりました。タイトルに書いたように、暗くて長いトンネルの先に少し光が見えてきたような気がしています。今回のコロナ禍は、後にきっと貴重な経験となって新しい何かを生み出すに違いない、そう思いながら前を向いて、コロナ終息を待ちわびています。このまま明るくなるといいですね。

令和3年2月28日  校長 栗原卯田子