学校の方針と対応について:「新たな価値」に出会うために
4月1日、学校法人成城学校は新しい理事長と事務局長を迎えました。早速理事長室では、専任教員4名の「辞令伝達式」が行われ、新任の先生方には理事長からエールが贈られました。
新しい法人体制で新年度が始まりましたが、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の発令により、本校も5月6日まで休校しています。このような状況ですので、生徒の様子はお伝えできませんが、現段階の学校の方針や4月前半に対応したことをお伝えしようと思います。
1.行事予定の変更
本校では、当初の行事予定を変更し1学期を5月7日から8月6日としました。夏休みが短くなりますが、このまま実施できれば、年間の授業時数は例年通り確保できます。一方で休校が長引く可能性もあります。この不安も視野に入れ「新しいネットワーク環境を作ろう」「みんなで頑張ろう」という動きが教員たちを中心に起こり、新しい取り組みが始まりました。新年度は、全教員の校内研修からスタートしました。
2.全教員参加の校内研修
4月6日、全教員が出勤しました。三密を避けるため、広々としたカフェテリアで扉を開けて職員会議を行いました。続いて、教頭を講師にGoogle Classroomを活用した研修を実施しました。本校は「携帯電話持ち込み禁止」の学校ですが、ウェブ出願を実施していますし、全保護者とはメールの「さくら連絡網」で個別に繋がっています。今回は、自宅のパソコンなどを介して各生徒と、まずは専任教員がつながろうという取り組みです。約1,600人の全ての生徒にGoogleアカウントを付与しましたが、ほぼ全員のログインが完了するところまでこぎつけました。
入学式、始業式の前ですが、新しいクラスや担任をネット配信で知らせ、それを基に担任や学年主任が、新クラスや新学年で、クラスルームが開かれています。生徒も教師も、試行錯誤で取り組んでいる状態です。クラスによってはホームルームが始まっています。また、課題も徐々に送られていくと思いますので、対応してください。教員同士も繋がって、在宅で打ち合わせや会議ができるようになりました。自分の取り組みを提案したりビデオ配信の仕方を共有したりして活気があります。授業日ではありませんので、あせらず、確実に広げていきたいと思っています。
3.私もクラスを開設しました。
私も、本校の先生方を「生徒」にしてクラスを開設しています。一つは「初任者研修」のクラスで、新任の先生方とやり取りを始めました。着任早々、予期せぬコロナ対応で、きっと不安をかかえてのスタートだと思います。また、マネジメント研修を目的とする講座も開きました。全てのことがお互いに初めてのことなので大変と言えば大変ですが、課題提示後の提出物や質問が待ち遠しく、質問などが届くと嬉しくなってすぐ開けてしまいます。
4.まだ見ぬ中学1年生へ
新1年生には、「新入生説明会」で会っただけで、彼らの制服姿をまだ見ていません。4月初旬に配るはずだった教科書も学校に到着したままでしたので、先日、大勢の先生方が集まって教科書の配送作業をしました。家に届いたら指示をよく読んで課題を始めてください。新型コロナウィルスの蔓延が収束し、5月7日10時には入学式で元気な皆さんに会えることを願っているところです。健康に気を付けて規則正しく生活してくださいね。
5.成城生の保護者の皆様へ
現段階での学校としての方針は前述の通りです。新年度に入り、突然の「クラスルーム」の開始や課題配信で戸惑われた方もいらっしゃると思います。保護者会も師親会も開けず、事前のお知らせをせずに一方的な取組になってしまい恐縮しています。保護者の中には、自宅のパソコンをお子様が使うことになり、新たに購入する必要が出てきたとご連絡をいただいたご家庭もありました。ご兄弟が同様な状況にあるご家庭では、それぞれの学校から対応を求められ、ご心労かと思います。ご理解、ご協力に感謝しております。
6.受験生の皆さんへ
コロナの対応が収まって学校が再開されたら、学校紹介を始めます。学校見学会など成城学校のよさをしっかりお伝えできるようにしたいと成城で待っています。学校選びが心配なときでしょうが、今はしっかり勉強しておくことです。頑張ってください。
この休校期間中に、本校中学生の保護者と偶然お話をする機会がありました。ご両親が、仕事に出ている間、家で休校中の兄弟を見ているという或る生徒の話です。3月31日、恒例の送別会もなく職場から帰宅したご両親を「お疲れ様でした!!」と60個も餃子を作って出迎えて労をねぎらってくれたそうです。「この休校のおかげで、子供の新たな一面が見えました。」今までしたことのない経験による我が子の成長に驚いた様子が保護者の言葉から伝わってきました。
これまで想像したこともない困難に今、世界中の人々が直面しています。思いもよらぬことが起き、それがどうすることもできないこと、避けられないことであると分かった時、人は前を向くのだと思います。前を向くしかないからです。しかし、その時、強くなって何かを掴むのかもしれません。
新しい価値に気付けるか、人に手を差し伸べることができるか、問われているような気がします。「新たな価値」に出会うために「チーム成城」で前を向いて、乗り切りましょう。
令和2年4月15日 校長 栗原卯田子