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校長だより

生徒たちの期待・生徒たちへの期待

正門脇の木々の葉が色づき始めました。毎朝本校職員が掃き集めてはハラハラと舞い落ちる葉に、一層の秋の深まりを感じます。

一方、かつて教員をしていた八丈島の教え子から我が家にストレチアの花がたくさん送られてきました。同じ東京都ですが、島と新宿区では季節を感じる色が違いますね。

ストレチア

ストレチア(極楽鳥花)

さて、朝の生徒の挨拶の声や仲間の群れが年度初めより大きくなってきて、半年過ぎた学校生活の「慣れ」や「成長」を感じます。発行が都合で遅れてしまいましたが、年度の後半に入った10月の「校長室だより」をお届けします。

1.中学運動会とチームビルディング

10月7日中学運動会の朝、正門前に立つと既に保護者の列ができていました。本校の運動会は保護者にのみ公開ですが、近年は生徒数が増えたせいか席を確保するために朝から並ぶ状況があります。今年は椅子ではなく、芝生上にシートを敷くことにして、保護者席を増やすことにしました。ご家族の皆様が続々と来場されグラウンドはあっという間にギュウギュウ詰めで申し訳なく思いました。保護者同士の顔が近くてよかったと思っていただけたら幸いです。

入場行進に始まり、棒倒し、騎馬戦、組体操など、成城の質実剛健な校風を醸し出していました。一方、昨年同様に男子校特有のノリノリの雰囲気がありました。特に「クラブ対抗リレー」のパフォーマンス部門は盛り上がりました。

 

棒倒し

玉入れ1

リズム縄跳び1

hnqec42組体操1

天気に恵まれ素晴らしい運動会でした。生徒たちはチームワークを学び、チーム力を高めました。ここで経験したことを自分の成長に活かしていくことを期待します。

クラスカラーTシャツ

生徒がデザインした今年のTシャツはクラス別に色違いで、背中にはOne for all, All for one!の文字が書かれていました。

 

2.幼稚園運動会

毎年、中学運動会の1週間後は牛込成城幼稚園の運動会。芝生グラウンドでの実施予定でしたが今年は天候の関係で本校の体育館で実施されました。といっても都内の学校では最大級である体育館ですから園児にはとても広かったと思います。観覧席には大勢の保護者。救護席に校医の先生、本部席には元事務長、現事務局長、教頭と私が詰めて応援しました。とにかく一生懸命で「かわいい!」の声が聞こえました。

恒例となった本校体育科教諭の指導による年長「すみれ組」の組体操は、普段の成果がよく表れ大成功でした。

幼稚園組体操1 幼稚園組体操2 幼稚園組体操3

このような演技ができる幼稚園は珍しいのではないでしょうか。成城らしさを感じました。

3.授業研究

今年本校は、早稲田大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻(教職大学院)の連携校になり、体育科教員免許を持つ大学院生を教師として預かり研究を支援しています。今年は5週間の実習がありました。ある日、保健(高校)の授業を観察しました。教科書にある人工妊娠中絶をテーマに、自分が調べたことからその是非を自分で考え、意見を発表するアクティブラーニングの授業でした。実際にアメリカでは大統領選挙における論点になっていることから、政治を理解する上でも大切なテーマであるとまとめていました。生徒たちはグループで真剣に取り組んでいました。

研究授業

4.成城中学校学校説明会

2月の中学入学試験に向けて、9月29日から学校説明会が始まり、2回目が10月31日にありました。今年は教育改革が進む中、特に高大接続システム改革、学習指導要領の改訂、中高完全一貫校化に向けた成城の方針をお伝えしています。実際は改革の途中ですので、既に決定している高校段階の変更など、完全一貫校化に向けての一部の変更をお知らせしています。大事なことは、変化の時代を生きる一人ひとりの生徒が、なりたい自分を見つけ、学び続け、実現していくことです。中高の6年間は男子が大きく成長するときでもあり、中には大化けする生徒もいます。生徒の発達段階に合わせていかに成長のためのチャンスをつくるか。学校としては今、様々な課題をテーマに、教員によるグループ・ディスカッションを重ね、細部にわたって合意形成を図っているところです。

5.生徒たちの期待・生徒たちへの期待

10月はずいぶん生徒とも話をしました。思い出すと、昼休みなどに校長室に来たのはほとんどが高校生でした。自分の話、自分たちの主張を聞いてほしいということもあれば、中には、こういう場合に栗原先生ならどう考えますか、と聞かれ議論することもありました。また、夏のウォーターボーイズの写真集を持参してくれて思い出の話をするなど、それぞれが自分の生き方や学び方について真剣に考えている様子が伝わってきました。

ウォーターボーイズ写真集2

ウォーターボーイズ写真集

高校生は、明確になった自分の興味をどのように発展させたらいいか悩んでいる生徒、成長している生徒、自分というものが出来上がってきた生徒、いろいろです。その中の一人が「成城の雰囲気が変わった」とぽつんと言ったことが印象的でした。うまく言えないけど、今までになかった雰囲気が生まれている、とのことでした。今の成城生に足りないのは「自信」かな。もっと自信をもって多様なことにチャレンジしてよいと思っています。まだまだ伸びると私は思います。

やんちゃだった生徒が立派な大学生になって母校を訪ねてくるなど、10月は卒業生にもたくさん会いました。その中の一人、お母様が私の幼馴染と親しいという卒業生に偶然再会できました。一浪したとのことですが、大学での勉強が楽しいようで期待できます。


来月には、台湾を研究対象としている卒業生の研究者による講演会、またルワンダ出身の大学教授による講演会などが開催される予定です。11月は知・仁・勇を高めるチャンスにチャレンジを期待。自ら学び自ら考える場に、自分から飛び込んでみて下さい。本気になれば機会はいくらでも作れますよ。

平成30年11月3日    栗原 卯田子