お知らせ
早大佐渡島教授、授業参観に来校
7月18日(火)~20日(木)の夏期進学講習第1期に、「慶応小論文」(担当及川)が開講されました。高3対象の講座で受講者は3名でした。2009年度慶応大学・経済学部、文学部、法学部の問題を教材に、小論文執筆に至る思考力の強化を意図したものです。
初日の18日、早稲田大学ライティング・センター所長(ディレクター)の佐渡島紗織 国際学術院教授と、中国人の大学院生江洋さんが参観に来校されました。ライティング・センターは、「アメリカで生まれた《過程で指導する》、《書き手の自立を目指す》という指導理念のもと、日本の文章作成指導に新しい視点を加える支援機関」として全国で広まりつつあります(早稲田大学ライティング・センターのサイトより)。早大のライティング・センターは衆目の認める全国最先端の組織であり、佐渡島先生は講演や著書、インタビューなどを通じて、この分野に新生面を開き続けておられます。この度、高校現場での小論文指導の実際をご覧になるため来校されました。
この日の教材は経済学部の問題で、給与の「年功制」と「能力給」とを巡る猪木武徳氏の文章に基づくものであり、本時の最終目標は、年功制の長所と短所を200字以内で説明することです(設問A)。
授業は、3名の受講者(B組森君、C組藤本君、E組塚本君)のプレゼンテーションとディスカッションを中心に進み、及川はファシリテーター役に回りました。前半は、年功制、能力給についての整理を行いました。後半は、及川より、「要旨」と「要約」についての短い講義ののち、本文の要旨の確認、ロジックツリーを用いて構想を練ったうえで、「年功制の長所と短所」の200字論述に挑みました。そして最後に、各自の答案の発表と相互評価とを行いました。
この間、佐渡島先生と江洋さんは熱心に授業の様子をご覧になっていました。最後の講評では、「中国の高校では生徒が主体となる授業がないので、今からこのような経験を積んでおくと、大学に入ってからのディスカッションに役立つだろう」(江洋さん)、「今すぐ早稲田に入っても十分に通用するぐらいに水準が高い」(佐渡島先生)と、受講者の意欲を大いに喚起してくださるようなフィードバックをちょうだいしました。佐渡島先生からは、テキストの読みに関する具体的なご指摘もいただきました。受講者にとっては、大学でのアカデミックな空気の一端に触れる経験でもあったかと思います。
わざわざ本校に足を運んでくださった佐渡島先生、江洋さん、ありがとうございました。これからも、早稲田大学ライティング・センターとの交流を進め、小論文指導や探求型学習を中心にご指導いただきたいと考えております。また、3名の受講者には、お二人からの激励とお褒めの言葉を糧に、勉学にいそしんで欲しいと思います。