お知らせ
伊豆大島フィールドワーク (3/3)
<前回までのあらすじ>
平成29年7月8日から10日までの日程で、生徒7名、地理専門の村田教諭、ほか1名の教諭の計9名で、伊豆大島フィールドワークを実施することになり、竹芝桟橋から出航、7月9日の朝5時に伊豆大島に到着した一行は、午前中いっぱい三原山登山をしながら学習したのでした。なお筆者は「ほか1名の教諭」。
7月9日午後最初の見学地は地層断面。昭和28年に、島一周道路を建設する際、山を削ったところあらわれた地層で、1万5千年ほどの堆積をあらわしているそうです。素人が見てもとてもきれいです。この地層断面は、一つの観光スポットになっており、バスで行くこともできます。
次の見学地は波浮港。『波浮の港』という有名な歌のおかげで、名前は知られているものの、訪れたことがある人は余りない名勝です。ここは丸い海を山が取り囲んだようになっている港で、もとは火山の噴火口であったところが火口湖となり、赤穂浪士の討ち入りのころ、津波によって火口湖が海とつながり、丸い港となったそうです(赤穂浪士と波浮の港は無関係。あくまで時代の目安として登場)。午後1時から30分ほど周辺を見学しました。
午後2時前、波に浸食されずに残った硬い岩石から成る筆島を見学、午後2時半ごろ、大島公園に到着、入場無料の動物園を30分ほど見学した後、この日の宿泊所、岡田港近くの「朝海館」に到着し、長い一日が終わりました。午後3時過ぎにその日の活動を終えるというのは、行事としては早いほうですが、船を下りてから10時間動き続けですから、疲労困憊でした。
入浴後、午後6時から夕食。大島名物アシタバを初めて食べましたが、まだ食べたことがない方のために、ノーコメントにしておきます。
午後7時過ぎからミーティング。今回参加した生徒7名に、それぞれフィールドワークに参加した動機を尋ねたところ、伊豆大島に行ったことがないから、地理が好きだから、暇だったからといった正直な意見が聞かれました。なるほど。
翌朝7時半から朝食。アジの開き、生卵、味つけノリ、納豆、冷や奴、味噌汁に白飯という、絵に描いたような旅館の朝食というメニューでした。
午前8時半に宿舎を出発、レンタカーで元町港まで出て、レンタサイクルで出発したのが午前9時過ぎ。砂防ダムの見学。村田教諭から、大雨の際、流れてきた木や土砂をその場にとどめ、水だけを流す仕組みになっていることが説明され、山を登りながら複数のダムを見学して回りました。山の上からは元町港が見下ろせるとともに、平成25年の台風の際に発生した土砂災害の跡も見ることができました。
最後に村田教諭から、伊豆大島が、火山による災害と、火山であるがゆえの土砂災害が起きやすい土地であり、地形や植生だけでなく災害に対する対策にも興味を持ってもらいたい旨の総括の言葉をもって、本フィールドワークは終了しました。
午前11時過ぎから昼食、午後1時過ぎに往路と同じ東海汽船の「さるびあ丸」に乗船して竹芝桟橋に着いたのが午後5時半過ぎ。解散したときにも、長かった、と思いましたが、思い返しながらこの文章を書いてみて、改めて、長かった、と思いました。<完>
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