2学期・イベントで盛り上がる男子校
最近、道を歩いているとあちらこちらから金木犀の香りがしてきます。今年もオレンジの小さい花たちが季節の変わり目を教えてくれます。さて、2学期の最初である9月は、文化祭をはじめ様々なイベントがありました。台風や長雨が続き心配しましたがすべて予定通り実施されました。そんな9月の成城の様子をお伝えしたいと思います。
1.杉原千畝記念短歌大会
杉原千畝はリトアニアの領事代理。第2次世界大戦でナチスに追われたポーランドのユダヤ人難民6000人を、自分の権限でビザを発給して救済した話は有名です。
その杉原千畝の故郷、岐阜県加茂郡八百津町が開催する「杉原ウィーク2016・杉原千畝記念短歌大会」に応募した本校生徒が「大賞」並びに二席相当の「愛賞」を受賞し、9月1日の始業式で表彰しました。おめでとう!!
「人道大賞」中3 相川将輝 君
生きている子供たちが走ってるそんな大地を守っていきたい
「愛賞」中3 須郷陽 君
ヒトラーもユダヤも千畝も眺めてた夕日は今も誰にでも
2.おーいお茶
皆さんがよく知っている「おーいお茶」のペットボトルを国語科の兼近先生が届けてくれました。そのパッケージには「第27回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の佳作特別賞を受賞した中3の清水優之介君の作品が掲載されていました。
「初詣目に付く人が多国籍」
応募総数1,862,954句の中から入賞は2,000句とのことです。すばらしいですね。おめでとう!! もったいなくて飲めずに校長室に飾ってあります。
3.成城祭・文化祭
開催数日前から校舎正面の渡り廊下に映し出された「時計台」。まるでロンドンのBig Ben がガラスに映っているみたいに見えます。今年のテーマは「刻(とき)」。ということで、文化祭実行委員会が製作したオブジェです。
これは中学運動会の日まで飾られます。
さて、オープニングセレモニーは中1から高3の全校生徒が一堂に会します。1634名は圧巻でした。
初日は、就任1年目の理事長ご夫妻がお越し下さったので早速「ウォーターボーイズ」をご案内しました。理事長先生は成城の卒業生でもあり、今年10年目を迎えるシンクロナイズド・スイミングをご覧になって「これは素晴らしい」とご満悦の様子でした。
二日目は全体を見て回りました。そのうちのいくつかを順不同で紹介します。運動部の招待試合は残念ながら時間的に見られませんでした。
【科学部】
生物班の取組と成果について、担当の生徒が丁寧に説明してくれました。話が弾んで、彼が生物好きであることがとてもよく伝わってきました。
物理に関する研究で生徒たちが取り組んだ「レールガン」については、実験を見せるのは危険なので、映像による紹介でした。以下の写真は実験中の写真です。生徒が提供してくれした。様々な先行事例から研究し実験を重ねている苦労が伝わってきました。
いろいろな分野に好奇心を高めて、これからどんどん活躍してほしい学友会(クラブ)のひとつです。
【鉄道研究部】
本校の鉄研は全国規模で活動をして成果をあげている学友会です。
写真は、文化祭での模型部門の展示。とても丁寧に作られ、工夫の跡が見られます。だんだん規模が大きくなって素晴らしい「お宝」になってきました。今後は科学的な研究とコラボできたら、新しい機能が加えられて面白いし、すごいことになるのかも、などと勝手に期待を膨らませてしまいました。
【中1・理科の課題研究】と【中1・本の帯】
夏休みの課題研究をクラスごとに掲示してありました。まずは理科の課題「へんないきもの」。全生徒の作品が生物の分類毎に掲示されていますが、立ち止まって見ていると時を忘れます。それぞれの作品に生徒の着眼点があり、とても個性が光ります。十分に「へん」です。
もう一つが国語科の課題で、「本の帯」の制作。好きな本の帯を自分らしく表現して人に読ませたいと思わせる取り組み。数年前に挑戦した「ビブリオバトル」的な要素があります。
来場者による投票結果や教員の評価を加味して、来月表彰があります。
【合唱部演奏会】
演奏会場の音楽室に入ると、保護者や卒業生をはじめ来客で埋まっていました。今年の合唱部には中学1年生や新たな高校生が加わって、部員が増えたからでしょうか。と言っても10人。顧問の先生のピアノ伴奏で、夏の合宿の成果を披露してくれました。更なる活躍が楽しみな学友会です。
【高1・未来の履歴書】
本校の学校説明会では、触れられないことはないという本校オリジナルの企画「未来の履歴書」。今年も展示をのぞいてみました。架空の履歴書を書いて自分の過去と未来を見つめて考える、というキャリア教育の一環で行われています。
来場者から「内定シール」を貼っていただきますが、すでにあちらこちらにシールが貼られていました。
【高2・弁論大会】
今年初めて文化祭で登場したのが「弁論大会」です。高2の国語表現の授業で各自が書いた小論文をもとに、全員が各クラスで弁論を行いました。クラスから選ばれた2名ずつ計16名の弁士による決勝弁論大会として、文化祭2日目に行われました。
審査員は3名で、(株)コミュニケーションカンパニー代表取締役として、編集プロダクションを営む森木まゆみ氏と、Luck factor代表取締役の片岡大和氏と、私。
弁論はいずれもユニークでレベルが高く素晴らしいできでした。「着想、構成、論拠」に評価の観点を置いて採点したところ、
1位 小杉和司君「たかが6年されど6年。侮るなかれ学校選び」
2位 濱野揚茂君「少年犯罪の原因とその対策とは」
3位 豊島昇悟君「オタクは犯罪者予備軍なのか?」
という結果になりました。
初めての取り組みでしたが、全体的にレベルが高く想像以上だった、というのが審査員3人の共通の感想でした。
【師親会・甘味処】
高2の師親会委員の皆さんが中心となっての企画。我が子たちが「卯年」ということで写真のような暖簾が。
校長室もこのような暖簾が似合うかも。
【1号館の中庭をうまく使ったカフェ】
「成庭」は成川先生のクラスが企画したオープンテラスのカフェ。場所の活用アイデアがよく大盛況でした。
【有志バンド】
小講堂での最後を飾った有志バンド。若さあふれるフィナーレでした。
【文化祭実行委員による本部片付け】
すべての来場者が下校したあと巡回していたら、本部のテントを片付ける文化祭実行委員たちに遭遇。臨海学校の補助員を思い出させる団結力と手際良さでした。ありがとう。
文化祭は天候が心配でしたが無事終了しました。ある外部の方から「校内に一歩入った時から学校の雰囲気を感じとりました。」と言われ、どういう意味かと尋ねると「生徒たちの雰囲気がすごくいい。」との言葉をいただきました。何より嬉しかったことです。
今年の文化祭では、ここにお伝えできないほど沢山のいい場面に出会うことができました。今後、生徒たちは引き継ぎをして来年に備えます。また来年お越し頂けると嬉しいです。
4.サイエンスカフェ
1学期に師親会との共催で講演会の講師をお願いした竜田先生が、再び本校に協力してくださり、9月21日の午後、本校で初めての「サイエンス・カフェ」が実現しました。希望する生徒と化学科の教員が竜田先生を囲んでお茶を飲みながらのフリートーク。
理科室から持ち出した模型を使って、竜田先生自らモデルを作ってみせるなど、ご専門の科学のおもしろさを、わかりやすく説明しながら、話題は研究のしかたや生き方などへと発展していきました。
また、あらかじめ先生にお願いしておいた生徒たちから先生への質問について、丁寧にお答えいただき、和やかな雰囲気の中で生徒たちを激励して下さいました。話題は「科学の研究」「大学への進学」「研究者としての生き方」などにおよび、生徒たちは大満足でした。
5.幼稚園訪問
本校にいる二人のジェットの先生をそれぞれ誘って、一緒に牛込成城幼稚園を訪問しました。空き時間を使っての訪問で短時間でしたが、幼稚園児とふれあい、園児が英会話に慣れることを目的に楽しく実施できました。
ブライアン先生は「手品」がお得意です。自己紹介の後、園児たちに持っていたトランプで手品を披露すると、忽ち写真のように人気者になってしまいました。
アーシシュ先生はピアノが得意です。一人ひとりと握手しながら英語であいさつをしたあと、ピアノを弾いてくれました。
とても指使いがきれいで、園児たちもうっとり。静かに聴いていて驚きました。園児たちはお礼に歌を歌ってくれて素敵な演奏会になりました。
6.地域防災訓練
9月25日(日)、本校は新宿区の指定避難所として、新宿区榎町出張所と協力・連携して、地元の町会の人たちと避難所訓練を実施しました。
地域の人たちとは、今年から本校を会場に勉強会を実施しています。当日は避難所開設訓練、炊き出し、消火訓練、AEDの訓練など盛りだくさんに実施。特に、防災講話では順天堂大学医学部の坪内先生にお出まし頂き、2次災害としての感染症対策等講話をしていただきました。また、初めての試みとして、本校の生徒会長と副会長が参加して、訓練の全体を見学しました。訓練を通して、少しでも実際の動き方が想像できるようになるといいと思います。
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9月を振り返ってみるとイベントが盛りだくさんで長文になってしまいました。明日から10月。今日も中学生は運動会に向けて頑張っています。いよいよ、文武両道の秋になりますね。
平成28年9月30日
学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子