主体的に行動する
10月考査が終わり2学期も後半に入りました。本校は夏冬関係なく「指定された服」であればよいので、10月末はまだワイシャツ姿で登校する生徒の方が学生服の生徒よりも多くいました。中には、半袖のワイシャツも。そんな元気な成城学校の10月の様子です。
1.生徒会による朝の立ち番
生徒会委員の生徒達が朝の正門で一緒に活動してくれます。これは誰に頼まれるでもなく時間を決めて集合し自主的にやっているようです。最近は集まりが良いのか、スタートが早くなった気がします。狭い通学路上での事故やトラブルの防止に大変役立っているのでいつも感謝しています。だんだん寒くなりますがみんなで頑張りましょう。
2.JETによる講演会
9月号で紹介しました二人のジェットの先生に、10月3日(土)に本校で講演をしてもらいました。一人は、アメリカ・ロサンジェルス州出身のエリザベス・ゴンザレス先生で、皆にベティ先生と呼ばれています。イエール大学でアメリカ学、卒業後カリフォルニア大学バークレー校で教育学を専攻し、その後教鞭をとった経験のある先生です。
もう一人が、アーシシュ・バラジ先生で、カナダのレイクヘッド大学で心理学を専攻し卒業してすぐジェットとして来日しました。
講演会では、この二人の若い先生に、これまでの「自分の生き方」を紹介しながら、趣味や文化について語ってもらいました。
この日、学校の近くのお店で二人をお招きして”Welcome Party”を開催し、大変盛り上がりました!
二人の先生はICT教育にも関心が高く、本校で来月予定している「スカイプを活用した台湾の学校との交流」にも一役買ってくださっています。今からとても楽しみです。
3.牛込成城幼稚園
10月のある日、ジェットの二人を紹介する目的で、本校1号館内にある牛込成城幼稚園に出向きました。かわいらしい園児を見て、きっとこれまでの緊張が解けたのでしょう。ジェットの二人の顔が和らいでホットしました。この日は年長組が運動会の練習をしていました。「今日はいつもより一生懸命です。」と園長先生。見学されていることが励みになったようでした。私は運動会当日に「中学高等学校協会主催の進学相談会」があるため、見学できませんでしたが、写真をいただきました。
つい先日の朝こと、幼稚園入学のための面接があり幼児の手を引いた保護者の方が、正門にいる私に幼稚園の入り口を尋ねました。その様子を見た登校中の本校生徒がさっとやって来て、「僕が一緒にご案内しましょうか」と。「カッコいい」とはこういうこと、自然にこれができることだと思います。成城生が主体的に行動する素敵な光景に出会いました。
4.中学運動会
天候の関係で10月11日に予定されていた中学運動会を12日に開催しました。本校人工芝グラウンドでの初めての運動会です。綱引きなどできない種目もあることから、種目も準備も従来とは異なり大変だったと思います。
前日の大雨でグラウンドの状態が心配でしたが、流石「全天候型」です。全く問題なく、早朝からテントを設営し、生徒達はシートを敷きパイプいすを並べ、予定通りに始めることができました。多くの保護者がご来場くださり観覧席は埋め尽くされました。
予行の日も、勝手がわからずまごまごする場面をたくさん見ましたが、当日は、体育祭実行委員会が中心になって、係の先生と一緒に見事に運営していました。
アナウンスも生徒がしました。中学生らしいアドリブを入れながら実況中継して盛り上げます。この一体感は130周年記念の今年のイベント「人文字」としてさらに上がりました。「白いTシャツを忘れずに」という掛け声のもと、見事にそれぞれ「白」を着て会場に集まった、全生徒、全教員、全保護者を体育祭実行委員が誘導して短時間に「130thSEIJO」の文字を作り上げました。計画的で、皆の心を一つにする素晴らしいイベントになりました。
ふだん6つの学年を一緒に見ていると、中学3年生は中学生にしか見えませんが、中学運動会を仕切る姿をみると、「さすが3年生だ」と思えるような逞しさが浮き上がってきます。これがリーダー教育です。しっかりと自分たちで考えて行動する力をこれからも身に付けていってください。特に体育祭実行委員長、体育委員長のリーダーシップは素晴らしかった思います。
10月のある日、20代の本校卒業生が校長室にやってきました。聞くと、成城高校を卒業後、進学先の大学で1年間イギリスに留学をし、卒業後改めてイギリスの大学院に留学して経済学を専攻。この経験を生かして現在、世界的な金融機関グループ「モルガンスタンレー」に就職したとのことでした。彼の夢はさらに大きく、国際社会を舞台に活躍するための一歩を踏み出したところだ、と言います。担任をした先生に聞くと、在学中は特に目立つ存在ではなかったそうです。
数日後、彼からメールが来ました。
「若い世代が、グローバルな意識を持ち、夢に向かう姿を、人生の先輩方が応援するという、今の校風にとても共感できる。このような環境が在学中にあったら、価値観も変わっていただろうな、と少し羨ましい気持ちもあります。」
成城へのエールだと受け止めて私も彼にエールをおくりたいと思います。
「まだまだこれから活躍の場が待っていますよ。成城の人間力の高さを発揮して挑戦してください。」
平成27年11月1日
学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子